太陽光やV2H、電気自動車を活用した家庭エネルギー運用というと、新築のZEH住宅を思い浮かべる方も多いかもしれません。
けれど、実際に知りたいのは、「今住んでいる家で、どこまでできるのか」ではないでしょうか。
わが家は、松阪市の築16年の既存住宅です。
ZEH住宅ではありません。
それでも、太陽光・EV・V2H・エコキュートを組み合わせながら、家庭内で使うエネルギーをできるだけ家庭内でまかなう方向へ、少しずつ運用を整えてきました。
この記事では、ZEHではない既存住宅でもここまでできた、という実例として、わが家の取り組みの意味と現実的な価値をまとめます。
この記事でわかること
・ZEHではない既存住宅でもできること
・設備を組み合わせて運用する考え方
・この実例を公開している意味
既存住宅で取り組む意味があると思った理由
家庭の脱炭素は、新築住宅だけの話ではないと思ったことが、この取り組みの出発点でした。
家庭のエネルギー最適化や脱炭素というと、どうしても新築の高性能住宅の事例が目立ちます。
もちろん、それは理想的な形のひとつです。
ただ、現実には、すでに住んでいる家の中で、これから何ができるかを考える家庭の方が多いはずです。
わが家も、最初から条件が整っていたわけではありません。
「この家で本当にできるのか」
「無理なく使えるのか」
「導入して終わりではなく、生活の中で回るのか」
そうしたことを一つずつ考えながら進めてきました。
だからこそ、この取り組みには意味があると感じています。
特別な家だからできた、ではなく、既存住宅でも、設備の組み合わせと運用の工夫でここまでできるという実例になるからです。
わが家はZEHではない、一般的な既存住宅

わが家は、ZEHではない、ごく一般的な既存住宅です。
松阪市にある築16年の住宅で、新築時から家庭エネルギーの再設計を前提に作られた家ではありません。
今の暮らしを続けながら、あとから設備を加え、使い方を見直してきた家です。
家族が暮らしている以上、生活の都合もあります。
設備だけを理想通りに並べればよいわけではなく、家族の生活動線、給湯の使い方、電気の使い方、車との相性など、現実の暮らしに合うかどうかを見ながら進める必要がありました。
つまり、わが家の特徴は、最初から完成された家ではなく、暮らしながら少しずつ再設計してきた既存住宅だということです。
だからこそ、「うちはZEHじゃないから難しいかも」と感じている方にも、参考になる部分があると考えています。
導入している設備と運用の考え方

大切なのは、設備を単体で見るのではなく、家庭全体のエネルギーの流れとして考えることでした。
現在のわが家では、太陽光・EV・V2H・エコキュートを組み合わせて運用しています。
昼間に発電した電気は、ただ売るだけではなく、家庭内消費や給湯、EVの充電にどう振り分けるかを考えながら使っています。
さらに、EVにためた電気をV2Hで家庭側へ戻すことで、夜間や非常時にも活用できる形を取っています。
ここで感じたのは、太陽光だけ、EVだけ、と個別に考えても見えないものが多いということでした。
実際には、発電、充電、給湯、家庭内の消費をつなげて見ないと、本当の意味での価値は分かりにくいのです。
設備を入れれば自動的にうまくいくわけではありません。
けれど、家庭全体の流れとして捉えるようになると、電気代の見え方も、自家消費の考え方も、停電時の備えも、少しずつ変わってきました。
既存住宅でもここまでできた、という実感
既存住宅でも、できることは思っていたよりずっと多いと感じています。
もちろん、何もしなくても劇的に変わるわけではありません。
導入費用もかかりますし、設備同士の相性や、生活とのバランスも考える必要があります。
それでも、実際に取り組んでみると、変わったのは数字だけではありませんでした。
電気を「ただ買うもの」として見る感覚から、どう使い、どう回すかを考える感覚へ変わったこと。
売電だけを前提にするのではなく、自家消費をどう高めるかという視点を持てるようになったこと。
停電時にも、家庭内に使える電気があることを意識できるようになったこと。
こうした変化は、特別なモデル住宅でなくても起こります。
むしろ、既存住宅での現実的な工夫の積み重ねだからこそ、日々の暮らしに落とし込みやすいのだと思います。
こんな方におすすめ
・ZEHではない住宅で太陽光やV2Hを検討している方
・新築向け事例ばかりで、自宅に置き換えにくいと感じている方
・既存住宅の現実的な実例を見たい方
この実例を公開する意味

この記録を公開しているのは、理想論ではなく、判断材料になる実例を残したいからです。
設備導入を考える時、多くの方が知りたいのは、きれいに整った理想的なモデルではなく、実際の家で、実際の暮らしの中でどうだったのか、ということではないでしょうか。
導入費はどう考えたのか。
補助金はどう見たのか。
設備はどう組み合わせたのか。
日々の運用の中で何が起きるのか。
そうしたことが具体的に見えないと、導入の判断はしにくいものです。
だからこそ、このサイトでは、設備構成だけでなく、費用、補助金、月ごとの運用データまで公開しています。
また、家庭部門の脱炭素を考える行政や企業にとっても、こうした既存住宅の市民実例は、机上の理論だけでは見えにくい部分を知る材料になります。
市民が実際に何を考え、何に迷い、どう判断したのか。
その過程も含めて、実例として残していく意味は大きいと感じています。
このときに実際に判断材料として何が必要だったかは、
別記事「市民が太陽光・V2Hを導入判断するために必要だった情報」で整理しています。
また、こうした設備の価値は、平常時の電気代だけでは測れません。
停電時に家庭で電気を使えることの意味については、別記事「停電対策として見た家庭エネルギー設備の価値|三重県松阪市で考えた太陽光・EV・V2H」でまとめています。
まとめ
ZEHではない既存住宅でも、家庭エネルギーのあり方はここまで変えられる。
それが、わが家で実感していることです。
特別なモデル住宅ではなくても、設備の組み合わせと運用の工夫によって、できることは少しずつ広がります。
だからこそ、この実例には意味があると思っています。
このサイトでは今後も、導入の流れ、費用、補助金、月次の運用データを実測ベースで公開していきます。
既存住宅でこれから設備導入を考える方の、判断材料のひとつになればと思います。




