太陽光を増設して分かったこと|南西2.88kW+北東5.76kW 実測データ公開|三重県松阪市

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南西2.88kWと北東5.76kWの太陽光パネルを載せた住宅外観。朝日を浴びて発電する屋根の様子

太陽光を増設するとき、多くの人が迷うのは「容量」や「価格」かもしれません。
でも、わが家がいちばん悩んだのは 「方角」 でした。

すでに載っていたのは南西向き2.88kW。
増設できるのは北東面のみ。

「北東ってどうなんだろう?」

実際に南西2.88kW+北東5.76kW(合計8.64kW)で運用してみて分かったことを、実測ベースで整理します。

三重県松阪市での太陽光増設・月次推移・V2H運用まで含めた全体の実測データは、こちらにまとめています。

このページのもくじ

太陽光増設で一番悩んだのは「方角」だった

太陽光を増設すると決めたとき、正直いちばん悩んだのは方角でした。

一般論は南面が最適

太陽光をのせるなら南面が一番良い。
これはもう常識だと思います。

でも現実は屋根制約がある

しかし、現実には

・南面にはこれ以上載らない
・屋根形状の制約がある
・既設とのバランスを考える必要がある

わが家は北東しか選べなかった

わが家の場合、南面はもう載せられず、選択肢は北東のみ。
だからこそ、増設の検討は理想論ではなく、現実の屋根の条件から始まりました。

南西2.88kWを16年使って分かったこと

設置から16年。
南西2.88kWは今も現役です。

パワコンは今回の増設に合わせて更新しましたが、
パネル自体はトラブルゼロ。

太陽光って長く使える設備なんだな、というのは16年使ってきて素直に感じるところです。

南西の強み

南西の良さは、やっぱりここです。

・晴天日のピーク出力はやはり強い
・冬場でも昼前後は安定しやすい
・発電のクセが読みやすい

南西の弱み

一方で、弱みもはっきりしています。

・朝の立ち上がりは遅い
・夕方の落ちも比較的早い

つまり、南西はピークは強いが発電時間はやや短め、という印象です。

増設を考えたきっかけ

売電単価が下がり、自家消費を意識するようになるほど、
「発電している時間の短さ」が気になってきました。

ピークが強いだけでは、暮らしの電気をまかないきれない。
この感覚が、増設を現実的に考え始めた理由のひとつでした。

北東5.76kWを載せて、まず感じた変化

北東に5.76kWを増設。

正直、「北東で大丈夫?」という不安はありました。

しかし、載せてすぐに感じた変化はシンプルでした。

朝の立ち上がりが早い

南西だけの頃は、朝6時半に起きても発電ゼロのことが多かったです。

北東を載せてからは、快晴日なら6時半からじわじわ発電が始まるようになりました。
(ちょうど、登校・出勤準備の時間と重なる!)

北東面太陽光発電の朝の立ち上がりを示すモニター画面。6時台からじわじわ発電している様子

6時台からゆるやかに立ち上がる発電カーブ。
北東面を入れたことで、朝の時間帯から発電が始まるのがわかります。

細く長く発電する

北東は、南西のようなドンとピークというより、
細く長く発電する感覚です。

冬でも完全に発電ゼロの時間が減り、
結果として1日に使用する電気をカバーできる時間が増えたという印象があります。

曇りの日に強い日がある

そして意外だったのがこれ。
雲が多い日には、1日の総発電量が北東面の方が多い日もあります。

「北東=弱い」と決めつけるのは早い。
これは、実際に載せてみて初めて分かったことでした。

南西+北東 合計8.64kWの現実

南西2.88kW+北東5.76kW
合計すると8.64kWです。

「倍以上になったから発電も倍」
…とは、正直なりません。

むしろピークの強化ではなく、発電時間の拡張という変化でした。

容量分、きっちり増えるわけじゃない

現実はもっと穏やかです。

・天候の影響は大きい
・季節差は当然ある
・北東はピーク型ではない

容量を増やした=出力が倍 ではなく、
発電の形が変わる、という表現の方が近い気がしています。

それでも確実に変わったこと

それでも、確実に変わったのはこれです。

発電している時間帯が長くなった。

日中の買電が、体感でも数字でも減りました。

「今日はほとんど買っていない」
そんな日が増えています。

数字以上に変わったのは「暮らし」

増設して一番変わったのは、実は発電量よりも生活リズムでした。

・エコキュートは昼間に
・乾燥機も昼間運転
・料理の下ごしらえも日中に

発電している時間に使う。

これを意識するようになったことで、
太陽光が屋根の設備から暮らしの設計要素に変わりました。

北東増設はアリか?

結論から言うと、

✔ 売電目的なら向かない
✔ 自家消費目的なら十分アリ

自家消費目的なら検討価値がある条件

特に

・日中在宅時間がある
・オール電化
・EV導入済み/予定
・売電単価が低い

この条件なら、北東増設は検討価値があります。

「北東=不利」と決めつけるのは早い。
これは、実際に増設してみた正直な感想です。

「昼間に発電した電気を使い、家族がエコキュートや家電を稼働させている様子。太陽光が暮らしに溶け込んだシーン

太陽光は元が取れるのか?(実測検証)

わが家の南西2.88kWは、モデルハウス仕様としてすでに載っていたため、正確な導入費は分かりません。

ただ、当時の相場感から考えると、
2.88kWでおよそ200万円前後だったのではないかと推測しています。

では、この16年間で、どれくらいの経済的価値を生んできたのか。

太陽光の回収は「売電収入」だけで考えると不正確です。

本来は、

・売電した分の収入
・自家消費によって買わずに済んだ電気代

この両方を合算して考える必要があります。

年間発電量はおおよそ3,200kWh。

まず最初の10年間は、売電単価42円/kWhの時代でした。

当時は売電の方が有利だったため、仮に
売電70%・自家消費30%で計算すると、

年間発電量 約3,200kWh
売電70%・自家消費30%と仮定すると

売電:3,200 × 70% × 42円 ≒ 約94,000円
自家消費:3,200 × 30% × 当時の買電単価(約23円想定) ≒ 約22,000円

10年間で約116万円。

年間およそ11万円強の価値になります。

さらに、当時は発電量に応じたインセンティブ(+10円/kWh程度)があったため、これを含めるとさらに数十万円分が積み上がっていた計算になります。

そして卒FIT後の6年間。

売電単価は7〜10円に下がりましたが、
その代わり自家消費率は70〜80%程度まで上がっています。

現在の買電単価(30円台)で計算すると、
卒FIT後の6年間で約45万〜60万円程度の価値になります。

つまり、

最初の10年:約116万円
卒FIT後6年:約45万〜60万円
+当時のインセンティブ分

合計すると、約160万〜200万円前後の価値。

仮に導入費が約200万円だったとすれば、
ほぼ回収、もしくは十分に回収圏内といえる数字です。

そして重要なのは、

太陽光は10年で終わる設備ではないということ。

16年経った今も、南西2.88kWは問題なく発電しています。

今後も発電し続けることを考えると、
ここから先はほぼ純粋な自家消費メリットの積み上げになります。

売電単価が下がったから損、ではなく。

太陽光は
「売る設備」から
「使う設備」へ。


そして今は
「暮らしを設計する設備」へ。

この視点に切り替えると、
太陽光の価値はまったく違って見えてきます。

これから新築やリフォームで太陽光を検討しているなら、
「方角が完璧でなくても、自家消費前提なら十分成立する」というのが、わが家の実感です。

結論|方角よりも「運用目的」が大事だった

実際にやってみて分かったのは、
方角単体の優劣より運用目的との整合性が重要だということでした。

南西はピーク型。
北東は時間分散型。

組み合わせることで、
「発電時間の最適化」が起きました。

わが家にとっては、
北東5.76kW増設は正解でした。


本記事は、地方都市における既存住宅の
エネルギー再設計事例の一部です。

取り組み全体の概要や講座情報は、
以下よりご覧いただけます。

南西2.88kWと北東5.76kWの太陽光パネルを載せた住宅外観。朝日を浴びて発電する屋根の様子

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住宅エネルギー実証ブロガー

三重県松阪市在住。

築16年の一般住宅で、
南西2.88kW+北東5.76kWの太陽光、
V2H、EVを組み合わせた
家庭エネルギー運用を実証中。

発電量・自家消費率・光熱費削減の実測値を継続公開。

「既存住宅でもここまでできるのか?」

その検証記録を残しています。

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