我が家が選んだ次の一手

太陽光発電は、設置して終わりではありません。
制度が変われば、最適な運用方法も変わります。
我が家の南西2.88kWの太陽光は、設置から16年。
その間に、売電単価は大きく変化し、エネルギーの価値そのものが変わりました。
この記事では、
・売電優位だった時代
・卒FIT後の変化
・増設という判断
・現在の運用設計
を、実体験ベースで整理します。
三重県松阪市での太陽光・増設・V2H運用を含めた全体の実測データは、こちらにまとめています。
売電が最適解だった時代
設置当初の売電単価は、42円/kWh。
42円+10円の仕組み(52円時代)
さらに当時はエネファームを併設しており、
東邦ガスのキャンペーンにより、
発電量 × 10円 のインセンティブが毎年付与されていました。
つまり…
実質 1kWhあたり52円で売電していた計算になります。
この条件下では、自家消費するよりも売電した方が明らかに有利でした。
太陽光は「売る設備」。
これが当時の合理的な選択でした。
卒FIT後、買取単価は9円へ
固定買取終了後、売電単価は 9円/kWh へ。
ここで状況が変わります。
200kWh売電の価値比較

春先などは月200kWh前後を売電していた時期もあります。
9円 × 200kWh = 1,800円。
もしこれが旧制度の52円時代であれば
52円 × 200kWh = 10,400円。
同じ発電量でも、価値はまったく違います。
「売る」前提だった設備は、「使う」方向へ再設計する必要が出てきました。
もっと早く増設すべきだった?
正直に言えば、
卒FIT後の9円時代に月200kWhを売っていた時期、
「もっと早く自家消費設計にしていれば」と思うこともあります。
ただし、
52円時代は売るのが正解。
9円時代は使うのが合理的。
制度に応じて最適解は変わります。
太陽光は設置後も再設計する設備です。
増設という決断
そこで選んだのが、北東面5.76kWの増設。
16年目を迎えていた既設パワーコンディショナーも一緒に交換しました。
理由は明確です。
・売電より自家消費の方が合理的
・EV導入との相性
・エコキュートへの切替
・エネルギー電化一本化
売電収入を最大化する設計から、自家消費率を高める設計へ。
発電設備は「資産」であり、運用戦略次第で価値が変わります。
現在の運用方針

※自家消費率86%は、2025年12月の総発電量432kWhに対し、自家消費374kWhで算出しています。詳細データは別記事で公開しています。

現在は、
・自給率向上
・余剰活用最大化
・売電依存を下げる
・EV・給湯を含めた統合運用
を軸にしています。
発電 → 蓄電 → 使用
この循環を前提とした設計です。
卒FIT後は、「売る設備」から「回す設備」へ。
これが我が家の次の一手でした。
卒FIT後に考えるべきこと
卒FIT後の選択肢は、
・売電継続
・蓄電池導入
・V2H導入
・増設
・パワコン更新
家庭の消費特性によって最適解は異なります。
重要なのは、
・現在の売電量
・自家消費率
・EVの有無
・将来の電化計画
を整理した上で判断すること。
卒FITは「終わり」ではなく、運用再設計のタイミングです。
今後の検証
北東面5.76kW増設後の
・自給率推移
・売電量の変化
・実支払額比較
・回収シミュレーション
についても、実測データをもとに公開していきます。
制度が変わる中で、
家庭がどうエネルギーを設計していくのか。
一つの実例として、記録を続けます。
本記事は個人住宅における卒FIT後の運用戦略と実測データを基にした事例分析です。
同様の検証データの共有や共同研究のご相談があればお問い合わせください。

